製紙用薬品部門
業界の様々なニーズに対応する顧客密着型の製品開発
製紙用薬品部門(以下、当部門)が扱う代表的な薬品には、紙の吸水性を制御するサイズ剤、紙に強度を与える紙力増強剤、そして印刷適性を改善する表面塗工剤などがあります。これらを開発する技術開発部のスタッフは営業部のスタッフと共にお客様の工場を定期的に訪問し、お客様の抱える問題に応えています。古紙の利用率上昇に伴う抄紙系のpH上昇や歩留り低下問題、填料高配合による高灰分化といった種々の問題点や条件変化に対して、お客様のニーズに合った薬品を開発すると共に、最適な薬品使用方法を提案しています。
トータルウェットエンドシステムの開発と提案

地球環境問題に対する配慮が必要不可欠になる一方で、国内の全産業界は収益改善を目的とした合理化やコストダウンが求められています。製紙業界の板紙分野では段ボール古紙や雑誌古紙の増配に起因する炭酸カルシウムの増加で抄紙pHが上昇してきています。一方、洋紙分野では中性抄紙化が進む中で填料(炭酸カルシウム)増配や古紙増配を始め抄紙機の高速化などによる影響で板紙分野と同様に内添薬品の効果低下や歩留り低下という問題が発生してきています。これらの問題に対して、硫酸バンド量を削減(抑制)しながら薬品効果を高める、トータルウェットエンドシステムを提案しています。システムの提案によって、環境への配慮だけでなく、品質向上や生産性の向上といったお客様での課題に応えています。
表面薬品による機能性付与への対応

サイズプレスなどの塗工機によって紙に塗布される表面塗工薬品は、歩留りがほぼ100%であることと、内添薬品の削減ができるため内添薬品で問題となる抄紙系でのトラブルが少なくなるという特徴を持っています。このため抄紙条件の変化への対応や薬品原単位低減が期待できます。このようなことから表面塗工薬品である表面サイズ剤や表面紙力増強剤に対する需要が高まっています。
当部門では古紙のリサイクル化や中性抄紙化が進む中で、DIP(脱インキ処理パルプ)や炭酸カルシウムの配合率が高い抄紙系においても、要求特性に対応できる機能性を付与した表面塗工剤を開発しています。内添処理から表面塗工処理への転換で、古紙利用率の増大、排水負荷の低減、抄紙系でのトラブル抑制による生産性の向上やコストダウンなどのご要望に応えています。
主要製品
内添サイズ剤
パルプ繊維の表面はセルロースの水酸基によって親水性を示しますが、サイズ剤を適用することで、水の吸収特性をコントロールし筆記性や印刷性を改善することができます。当部門では、抄紙系の発泡や汚れ発生の抑制、操業安定性といった要求を満たすロジン系サイズ剤として抄紙系が酸性および弱酸性の時のロジン系サイズ剤を“ハーサイズ”、中性抄紙系でのロジン系サイズ剤を“ニューサイズ”として上市しています。また、中性やアルカリ抄紙で使用されるカチオン性合成系サイズ剤も上市しています。
紙力増強剤
紙・板紙の中で梱包材として使用される段ボールは丈夫であることが重要であり、紙は高速印刷への適応性が必要とされ板紙同様に強度が要求されます。最近では環境保護の立場から、古紙の再利用が積極的ですが、古紙利用率の上昇によって紙・板紙の強度は低下していきます。2006年の紙・板紙向けの古紙消費実績は1,879万tに達しており、古紙利用率として紙は38.1%、板紙は92.7%にまで上昇しています。このような高い古紙利用率の状況にあっても、要求される乾燥強度を付与する薬品が紙力増強剤です。当部門では、広範囲の抄紙pHで適用できる両性共重合タイプを中心とした“ハーマイド”シリーズを開発し、ご提供しています。
表面塗工剤
紙に塗工することにより、サイズ性、表面強度、インクジェット印刷やオフセット印刷時の印刷適性、防滑性といった機能を与える薬品が表面塗工剤です。表面サイズ剤を“ハーサイズ”シリーズ、印刷適性向上剤を始め、紙の透明度を上げる透明化剤、撥水性や防滑性を付与する薬品を“ハリコート”シリーズとして、様々な用途向けの薬品を開発することで、多様化するお客様のご要望にお応えしています。
グローバル展開を支える海外主要拠点
プラズミン・テクノロジー,INC.

プラズミン・テクノロジー社は、北米における製紙用薬品の製造・販売を目的として、1990年フロリダ州に設立されました。
ロジンサイズ剤、AKDサイズ剤、表面処理剤、紙力増強剤を軸に各種製紙用薬品を製造、販売しています。
http://www.plasmine.com/
杭州杭化播磨造紙化学品有限公司

経済成長著しい中国における製紙用薬品の製造・販売を目的として、1997年杭州に設立されたのが杭州杭化播磨造紙化学品有限公司です。
ロジン系サイズ剤、表面サイズ剤、紙力増強剤を軸とした各種製紙用薬品を製造、販売しています。近年では、急増する板紙生産への対応として、乾燥紙力増強剤の生産量が増加しています。また現地駐在員により、日本国内と同様、お客様での使用条件に対応した製品開発とフォロー体制を充実させています。

