トール油・化成品部門
この部門はパインケミカルではもっとも基本的な分野です。粗トール油(CTO:Crude Tall Oil)を精留してトールロジン、トール油脂肪酸を製造しており、この分野では当社はアジアで最大の規模を誇っています。
松の樹脂(ロジン)は古代より木造船の継ぎ目のコーキング、ロープ等の防水処理、たいまつなど、軍事上(海軍)及び海運に欠かせない物資として利用されておりました。それ故、松から得られる資源を、『ネーバルストアズ(海軍物資)』と呼び、今日でもそれらを取扱う産業をネーバルストアズ産業と呼んでいます。
ハリマ化成における松資源の利用は、粗精製の“Tall Oil”(スウェーデン語で松の油を意味する“Talloja”を英語表記した言葉)である、粗トール油から出発します。
この分野は、ネーバルストアズ産業の中で主要な位置を占め、現在でも北米を中心に40万t程度(全世界のロジン生産量の約30%)のロジンが製 造されています。
ハリマ化成は、合弁会社のハリマエムアイディを通して、毎年6万トン以上のCTOをアメリカから輸入しています。ハリマ化成グループはアジア最大のトール油精留装置を稼働し、CTOからロジン、脂肪酸及びピッチを効率的に精留して、トールロジンやトール油脂肪酸を生産しています。これらの大部分は様々なより高度な加工品を生産するために社内で使用されています。一部のトールロジンとトール油脂肪酸は、私たちの顧客に販売しています。
トール油製品とその用途
ハートールは、トールロジン、トール油脂肪酸及びその他のトール油精留製品から成る製品群の総称です。トールロジンは製紙用サイズ剤、塗料・インキ・接着剤用樹脂、そして合成ゴム乳化剤の生産に使用されます。トール油脂肪酸は大豆脂肪酸に類似した組成・特徴を持っており、塗料、界面活性剤、洗剤、そして多くの工業用中間原料として使用されます。
バンディスは、不均化ロジン及び不均化トール油の製品群の総称です。バンディスのカリウム塩は水に易溶性の石けんです。これらは合成ゴムやABS製造時の乳化剤として使用されます。
ハリダイマーは、トール油脂肪酸を重合して製造される二塩基酸の製品群の総称です。これらはポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などの製造に使用されます。DIACIDはトール油脂肪酸とアクリル酸から製造される二塩基酸です。これも重要な工業用中間原料の一つです。
トールピッチは、CTOの精留工程における副産物であり、高沸点のエステル、中性物質及び少量のロジンと脂肪酸を含有しています。トールピッチは塗料用樹脂やアスファルト添加剤として使用されます。ハートールTPはトールピッチの商品名です。


