ハリマ化成グループ

伝説のテクノロジー

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ステンドグラス製作・修復

ステンドグラス職人・松本一郎さん

国宝や重要文化財も手がける

型紙に合わせてガラスを置いていく。

 こうした独自の工法を駆使して同社はこれまで数多くのステンドグラスを新規で製作してきた。その中には京都国際会議場、大原美術館、日比谷松本楼、成田山新勝寺光輪閣、出雲大社神楽殿など、広く名を知られた名建築も多い。

 ステンドグラスはもともと欧州発祥のもので、キリスト教の教会や洋館の窓などの装飾に用いられてきた。だから新勝寺や出雲大社にステンドグラスがあると聞くと意外な気もするが、日本の寺社仏閣にステンドグラスが使われているケースはさほど珍しくないという。

 こうして製作を続ける一方で、警視庁の例のように修復を手がけることも多いという。これも銀座の資生堂パーラー、交詢社、国会議事堂衆議院・参議院の議事堂天井、軽井沢万平ホテル、そのほか、国宝に指定される迎賓館赤坂離宮も同社によって修復されてきた。また、ここには書き切れないほどの重要文化財の案件も多い。誰もが聞いたことのある、建築物の修復が目白押しである。「修復こそ技術の裏付けがなければできない仕事です。なにしろ一つひとつの案件ごとに修復条件が異なるので、それを見抜く力や優れた技術・ノウハウが求められますし、やはり時間もかかります。ステンドグラス業界では、つくることはできても修復はできないというところも多く、両方をやらせていただいているのがうちの強みでもあります。これからも製作、修復の両輪を大事にしていきたいと思っています。これまでに修復できなかったものは一つもなかったと自負しています」

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