ハリマ化成グループ

パインケミカル

松やに(ロジン)を訪ねて

04.松脂蝋燭(まつやにろうそく)

灯りの歴史は60万年前に遡るといわれている。人々は灯りに対して恐れと敬いを持ち、灯りを暮らしに活かしてきました。灯りは私たちの心のふるさとであり、安らぎを与えてくれるものではないでしょうか。 第四回目は、ともしびの原点とも考えられる松脂蝋燭(まつやにろうそく)についての取材をともしび博物館でうかがいました。
取材協力

武石村ともしび博物館
長野県小県郡武石村大字下武石1902
TEL:0268-85-2474

JR長野新幹線の上田駅からバスで40分、または、しなの鉄道大屋駅(上田駅乗り換え)からバスで30分、下武石(しもたけいし)で下車徒歩10分の美しい山間に囲まれたところにともしび博物館はあります。ここは武石村村政施行100周年を記念して、1989(平成元年)年に開館しています。約15000平方メートルの広大な敷地に、ともしびに関する色々な展示物、資料が約300点常設展示されています。また、体験学習を通して、ともしびへの理解を深められるようになっています。

画像 ともしび博物館付近の地図
画像 ともしび博物館の写真
ともしび博物館

蝋燭(ろうそく)に松脂(まつやに)が使われている松脂蝋燭が、ここ長野県のともしび博物館に展示されているとのことで訪問しました。 取材に応じてくれたともしび博物館の坂部学芸員によれば、この博物館はともしびに関するいろいろな展示物を展示しており、そのうちの一つに松脂蝋燭も展示しているとのことであるが、現在では廃れて使われているところはないとのこと。

画像 坂部氏の写真
説明する坂部学芸員
明かりの移り変わり

太古の昔から、火は人類とともにあり、煮炊き、採暖とともに、またあかりとしても役立ってきた。従ってあかりは原始時代の人類が、洞窟や夜の暗闇の中で用いたたき火やたいまつに始まるとみてよい。人類はこのように、最初木や草などの自然物をそのまま燃やしてあかりとしたが、のちに日常生活の体験から、動物性や植物性の油をあかりとして用いることを思いついた。これが灯油である。灯油を燃やすための灯火器の主なものは、灯台・短檠(たんけい)・行灯・ひょうそく・瓦灯・無尽灯などである。
さらにその後、動物蝋や植物蝋を原料とした蝋燭が作られ、これを点灯するため、燭台・手燭・ぼんぼり・提灯などいろいろな種類の灯火器が工夫され、灯油用灯火器と平行して使われた。
幕末から明治にかけては、石油ランプやガス灯が輸入され、文明開化のシンボルとなったが、電灯の普及に伴い、その座を降りていった。
さらに、現在では、電気に代わる発光ダイオード(LED)による照明の時代になってきた。
〈参考文献:ともしび博物館案内/灯火の移り変わり:深津 正〉

蝋燭の歴史と松脂蝋燭

我が国における蝋燭の始まりは、奈良時代の天平19年(747)に作られた大安寺の伽藍縁起並流記資材帳に、養老6年(722)に元正天皇から同寺に賜った品目に蝋燭の名が見えている。 当時の蝋燭は、中国から輸入された貴重品で、蜜蝋燭と考えられている。平安時代にはいると遣唐使は中止となり、蝋燭の輸入がなくなり、これにかわって松脂蝋燭が製造が始まったと考えられる。 その後、はぜの蝋やうるしの蝋などの使用により、和蝋燭がはじまり現代に至っているが、明治以降の西洋蝋燭の輸入とともにその地位も取って代わられている。

奈良時代  722年   蜜蝋燭
平安時代  1000年頃  松脂蝋燭
室町時代  1375年頃  木蝋燭
安土・桃山 1590年頃  会津蝋燭
江戸時代  1715〜1736年頃 鶴岡絵蝋燭
明治時代  1872年   西洋蝋燭

〈参考文献〉 ともしび博物館案内/灯火の移り変わり:深津 正

画像 松脂蝋燭の写真
ともしび博物館に保存されている松脂蝋燭