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松脂蝋燭(まつやにろうそく)

画像 松脂蝋燭の図解イラスト

松脂蝋燭は、蝋燭の名前はあるが蝋とは無関係で、松脂を湯にいれて柔らかくしたうえ、籾や糠などを混ぜてよくこねて棒状にし、竹の皮や笹の葉で包み、燭芯として玉蜀黍(とうもろこし)の皮をいれたりし、数カ所を結んで「ちまき」のような形にこしらえたものである。
松脂蝋燭を結ぶのにタツノヒゲという草が使われたというが、これはイグサ科のコヒゲのことで、「イ」に似ているが、中に白いずいがなく、茎も細くて短い。

右の図は滝沢馬琴の「耽奇漫録」に掲載されている松脂蝋燭で、出羽秋田では松脂蝋燭、奥州白川では「ヤニアカシ」と呼ばれたことが記されている。

大きさも直径八分(2.4センチ)から一寸(3センチ)、長さも五寸(15センチ)、八寸(24センチ)、一尺二寸(36センチ)などあり、松脂蝋燭一本で30分から2時間位は点灯できた。

〈参考文献:燈用植物 深津 正 P310〉

松脂蝋燭を作るには、山のマツの木に幹に、春先傷を付けておき、秋になって傷口から流れる松脂を集めて材料にするのであるが、こうして松脂を採取する作業を「たたき」というため、松脂蝋燭のことを別名「たたきろうそく」と称するようになったという。
また、松脂蝋燭はときどき物にぶつけて叩かないと暗くなるので、「たたきろうそく」の名が起こったという説もある。
明治に入り、西洋蝋燭の輸入とともに松脂蝋燭は廃れていったが、岩手・宮城・秋田などの東北地方や岡山・鳥取・島根などの中国地方では、明治の末まで使用されていた。
この種の蝋燭を点燈する場合には、先端を割った竹の棒にはさんだり、「でっちだい」と称する特殊な燭台に立てたり、あるいは籠提灯を用いたりした。

〈参考文献:燈用植物 深津 正 P310〉
〈参考文献:あかりのフオークロア 照明文化研究会編 P13〉

ともしび博物館に保存されている松脂蝋燭は長さ15cm、最大幅1.5cm、重さ30グラムほどのものです。先端の部分から茶褐色の松脂がみえる。

画像 松脂蝋燭の写真1

画像 松脂蝋燭の写真2

ともしび・あかりについて知りたい方は、夢あかり館(滋賀県・彦根市)を訪問ください。また、夢あかり館では「松脂蝋燭」のレプリカなども展示しております。

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