ホーム > パインケミカル > 松脂(ロジン)を訪ねて > 05.お線香と松脂(ロジン)


パインケミカル

香料とお線香

お線香はお香の一つです。

画像 香の分類図

お線香もお香も同じ原料を用いています。お線香はお香の一種です。
現在、仏事で使われるお香の90%以上はお線香で、残りが焼香や抹香、塗香となっています。
お線香は燃焼時間が正確なので、座禅をするときに時間を計る道具として、お線香が焚かれてます。また、茶席でもお香が焚かれますが、煎茶お手前ではお線香が組み込まれており、格調高い伝統的な芸道にもお線香のもう一つの顔を知ることができます。

お線香

練香、抹香を線状にした物。原料は沈香、丁子、白檀、麝香などで、燃焼を助けるために松脂、接着剤として蜜や糊、それに黄土、緑、茶、黒などの染料を加えて練った物。
(注)黒以外にも墨(松煙)も使われる。
香は元来、香木の多いインドなど熱帯地方に発達し、体臭などを消すことが主な目的であったが、早くから仏教と結びつき、心の浄化作用の面が強調された。また、簡便な形での香ということで、お線香が考えられた。
(日本大百科全書:小学館)
主に家庭で使用されるお線香は、長さが10~30センチ程度で、宗派により焚き方が異なりますが、一般的には「仏・法・僧」の原理に従って、香炉の中で一本ずつ三方に立てることが多いようです。

お線香の字の由来

→ 正字は綫(せん)と書き、細長い糸という意味を持つ。

→ 正字は黍(きび)であり、黍(しょ)+日(えつ)から成り、芳なる物といわれている。黍と甘との会意文字といわれる。甘はもと甘美の字ではなく、嵌入の形であるか ら、甘美の意をもって、会意に用いることはない。黍(きび)をすすめて祈る意で、日は祝詞の象である。黍は芳香のある物とされている。

お線香の原料と作り方

お線香の原料

色々な物が原料として使われております。

香料
伽羅(きゃら)・沈香(じんこう)・白檀(びゃくだん)・丁子(ちょうじ)・薫陸(くんろく)・竜脳(りゅうのう)・乳香などの植物性香料。
麝香(じゃこう)・海狸香(かいりこう)・霊猫香(れいびょうこう)・竜涎香(りゅうぜんこう)などの動物性香料。

接着剤
糖蜜・蜂蜜など。安価な物はゴム液 などを用いることもある。

整形剤
タブの木の甘皮など

着色剤
松煙(スス)・染料。安価な物は合成香料を用いている。

それ以外にも現代人の好みに合わせて、花やハ-ブなどの香料を加えることもあります。

画像 お線香の原料の写真1

画像 お線香の原料の写真2
原料のタブの木の皮と粉

お線香の作り方

画像 お線香の製造工程図

画像 お線香の製造工程の写真1
原料を混合

画像 お線香の製造工程の写真2
原料を練る

画像 お線香の製造工程の写真3
押し出し

画像 お線香の製品写真1
製品(薫寿堂)

画像 お線香の製品写真2
生板で乾燥

終わりに

今回の取材の目的であったお線香の原料に松脂(ロジン)が使われているのではないかという疑問に対しては、残念ながら確認できませんでした。かっては、白檀・沈香などの原料の粉末を松脂(ロジン)で糊料として固めていたことが文献などで知られている。松に関する原料としては、香料の一部としてテレピン油が用いられており、高級な香料としては、テレピンを原料としたテルペンアルコ-ル等も用いられている。
英語で乳香の別名をfrankincenseというが、真正純品(franc)のインセンス、つまり香料という意味である。インセンスすなわち乳香であるという考え方は、植物の芳香性揮発油(精油)と合成香料を主体とする、現代の香料を表現するperfumeという言葉そのものにも認められる。これはラテン語のper fumumすなわち「煙を通じて」という言葉から転じている。
佳香は香料を焚いて、その煙の中から感じられる。だから古代の人々は、インセンスはペル・ヒュマムであると考えたのである。そして、このような考え方から発して、現代の香料を表す言葉となっている。
《参考文献》:香料博物事典(山田 憲太郎著 同朋舎)

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