ホーム > パインケミカル > 松脂(ロジン)を訪ねて > 07.ふすべ技法と松脂(ロジン)


パインケミカル

07.ふすべ技法と松脂(ロジン)

画像 ふすべ技法を連想させる図

取材協力

株式会社印傳屋 13代上原勇七
山梨県甲府市川田町アリア201
TEL:055-220-1660

甲州印傳屋は1582年創業で、現社長で13代目になる一子相伝の伝統革細工技法を今に伝える老舗です。
製品は一つ一つお客の要望を聞いて丁寧に手作りで作られており、子供、孫の代まで伝承していただける伝統工芸品です。

ふすべ技法とは

ふすべの語源

ふすべとは「燻ぶ」(ふすぶ)からきており、燃やして煙を立たせる。けむらす。いぶすなどという意味です。燻ぶるとは火がよく燃えないで、煙が立つこと。煤けて黒ずむことを言います。(広辞苑)
燻べ革とは松葉の煙でいぶして、白く模様を表した革。また、藁(わら)の煙でいぶして茶褐色にした鹿革のこと。(大辞泉:小学館)
このようなふすべの技術を用いて、革細工などの応用することを「ふすべ技法」といいます。

印伝とは

このようなふすべ技法をまた一名「印伝(いんでん)」と称しており、わが国では、奈良時代に始まります。東大寺国宝の「文箱」はこの印伝を用いた革工芸品です。
印伝の言葉の起こりは、印度伝来を略して印伝と言われたり、また印度更紗からの更紗技法からとも言われています。

甲州印伝とは

印伝は16世紀頃、来航した外国人によって土産として幕府に上納したのが始まりと言われており、同じ頃甲州(今の山梨)でも始まっています。
その一つには、甲州が山国であったため、原料の革となる鹿が多くいたのと、漆が多く取れたことが要因といわれています。
鹿革は、丈夫で通気性があり、なめすことによって非常に柔らかい肌触りとなります。
印伝の作り方には2通りの方法があります。一つは、革に漆(うるし)加工する方法と、もう一つは「ふすべ技法」と言われる物です。ふすべ技法は鹿革に藁(わら)と松脂(ロジン)で燻して、色を付け模様をつけたものです。印伝は体になじみ、強度も備えているため、武具の一部としても盛んに使われていたようです。江戸時代になると、革羽織、煙草入れ、巾着、早道など上層階級の人にも愛好されるようになってきました。
そして現代では、生活を彩る実用美として多くの人々に愛されており、ハンドバック、ショルダーバック、ポシェット、財布、がま口など色々と利用されています。
「ふすべ技法」は非常に手間がかかり、最低でも3~6カ月必要なため生産量も少なくわずか数%になっています。大半は漆による加工品です。

画像 革羽織の写真

ページトップへ