ハリマ化成グループ

パインケミカル

松やに(ロジン)を訪ねて

08.朱肉と松脂(ロジン)

朱肉の製法

朱肉は印色または印泥ともよばれており、昔は朱肉を使わずに泥を使用していた。しかし、宋代以降、現在のような朱肉製法の開始により、蔵書や書画に朱印が押されるようになってきている。
日本へは鎌倉初期に伝来されたといわれており、それ以前は朱を膠(にかわ)または糊状のもので練ったものを印面に叩いて付け、それによって押印していた。
印肉を作る方法は、朱をまず作り、それに松脂、木ロウ(ハゼロウ)、ひまし油等を混合して作ります。昔はこの朱は天然の辰砂を使っていたが、現在では水銀と硫黄から合成した物が使われている。

画像 本朱の製造工程の図

水銀と硫黄を苛性ソーダーと加熱することにより、水銀と硫黄の化合物を作り、これを乾燥して本朱と呼ばれる朱を作ります。

画像 朱肉の製造工程の図

次に、松脂と木ロウとひまし油を加熱溶解し、本朱を入れて混合し朱油を作ります。更に、朱油によもぎ(もぐさ)、パンヤ、綿実等の繊維質を混合して朱肉となります。

木ロウだけでは高い温度では液状に、低い温度では硬い固まりになってしまうので、その堅さの調節に松脂を使います。油はひまし油、ごま油、菜種油等が用いられています。

画像 朱肉の原料の写真1
原料の銀朱
画像 朱肉の原料の写真2
松脂(左)と木ロウ(はぜロウ)
画像 朱肉の原料の写真3
ひまし油
画像 朱肉の製品写真
製品の朱肉:朱肉は朱色が主であるが、
朱泥、紫泥、黄泥、紅泥、藍泥など約10種類ほど作られている。
参考図書
  1. 大漢和辞典:諸橋轍次著(大修館書店)
  2. 古事類苑 文学部三十四:吉川弘文館
  3. 中国の印章:安藤更生訳(二玄社)
  4. 日本の印章:山口平八著(新人物往来社)
  5. 故具の基本知識:北畠雙耳著(秋山叢書)
  6. 文具古玩事典:宇野雪村著(柏書房)
  7. 大辞泉:松村明監修(小学館)
  8. 字通:白川静著(平凡社)