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パインケミカル

いぶし瓦とは

加熱された粘土素地に炭化水素を含むガスを接触させて、素地表面に炭素を主成分とする炭素質膜を形成した後、炭素膜が燃焼しないよう窯を密閉して、冷却する方法が採られる。
わが国で昔から用いられてきただるま窯とよばれるいぶし瓦焼成窯では、燃焼室へ松材、松葉、石炭、重油などを一度に投入して空気を断ち、乾留することで炭化水素を発生させることで燻化を行っている。
この燻化工程をくすべ、いぶしなどと呼んでいる。

松脂によるいぶし瓦の製造

今回取材させていただいた窓清では、この燻化工程を改良し、松材、松葉、重油などに変わり、松脂を使用することにより、これまでの材料では出来なかった白銀色の見事ないぶし瓦を製造することに成功している。
焼成窯が薪のものからガスへと転換されると、燻化に問題が生じ、やわい色が出にくくなった。窯の中に松材などを入れて燻化すればよいが、ガス窯ではその場所が少ないために考え出されたのが松脂を燻化に使用することであった。
試行錯誤の結果、下記に示すような松脂燻化装置を開発し、100%松脂いぶし瓦として、製造、販売し現在に至っている。瓦の焼成は、1000~1200℃で24時間行う。
その後火を止め自然に900~950℃に下がるのを待ち、生ガスを入れ、同時に溶解した松脂を添加していくと、不完全燃焼で燻化が行われる。

画像 いぶし瓦の製造工程の写真1
松脂を溶解しておく。

画像 いぶし瓦の製造工程の写真2
溶解した松脂を添加。

画像 いぶし瓦の製造工程の写真3
ガスで燃焼する。

冷却して、窯からとりだすとあのいぶし瓦のみごとな銀色がでてくる。松脂の使用量は7m3の窯で(瓦として約900枚)約50kg。

画像 神谷氏の写真
窓清:神谷社長

画像 原料となる松脂(ロジン)の写真
原料の松脂(ロジン)

画像 いぶし瓦の製品写真
製品:いぶし瓦

松脂による燻化の大きな特徴は、瓦の表面を密にし高温で焼成が可能となったことで、松脂による色と艶が出せ、美しいいぶし銀を再現できたことにある。電子顕微鏡によりいぶし瓦の表面をみてみると、松脂で燻化したものは表面が密で粒子がそろっている。

画像 松脂による燻化の特徴を示す写真1画像 松脂による燻化の特徴を示す写真2

かわら美術館の案内(高浜市やきものの里)

愛知県高浜市青木町9-6-18
名鉄三河線高浜港駅下車
TEL:0566-52-3366

画像 鬼瓦の写真
鬼の道の途中にある鬼瓦

かわらをメインテーマにとりあげ、瓦を美術的に鑑賞するばかりか、瓦に関連した優れた美術作品や幅広い芸術文化を通して、人々の創造の意欲を高め、生活の中にゆとりとうるおいと豊かさをもたらすことを目的として設立。
尚、高浜港から三河高浜駅の間約4.5Kmは「鬼の道散策コース」となっており、大小色々な瓦が飾られ、散策コースともなっております。

西淡町産業文化センター

兵庫県三原郡西淡町津井285-4
TEL:0799-36-3311

画像 西淡町産業文化センターの写真
西淡町産業文化センター

瓦産業に関する史料や足跡を展示紹介しており、実習研修や文化交流の場として、地域産業の文化の振興を願って設立されています。

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