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パインケミカル

18.笙(しょう)と松脂(ロジン)

笙・音律・そして松脂との関わり
雅楽の中にも松脂は生きています!

画像 工房響東氏による笙の演奏風景の写真

取材協力

工房響 代表:東 康弘氏
奈良県天理市東井戸堂町468-8 電話 0743-62-1192

笙の歴史 平安時代の笙(しょう)・春日大社若宮(奈良市)で発見

2000年10月19日の奈良新聞で報道された笙発見のニュ-スについてはご記憶の人もいると思うが、春日大社(奈良市)の若宮神社で平安時代後期に制作、奉納されたと思われる笙と和琴(わごん)が見つかった。この笙は全長50.7cm、吹き口の頭(かしら)の部分に蒔絵(まきえ)の技法を取り入れた見事なものであり、前関白の藤原忠実が1137年に奉納したとの伝えがあり、演奏した跡もみられるとのこと。この笙の発見は雅楽器の変遷を探る上で貴重な発見であるといえる。今回発見された笙は17本の竹管全部で音を出すようになっており、現在の笙は17本の竹管の内15本だけが音を出すようになっているのとは異なっており、奈良時代の正倉院の宝物の笙とよく似ており、奈良時代から現代の形に落ち着くまでの過度期の姿を現している。

笙(しょう)とは

画像 笙の写真

雅楽に用いる管楽器の一つ。匏(ほう)の上に17本の長短の竹管を立て並べたもの。15本にはそれぞれ竹管の外側もしくは内側に指孔、下端に簧(した)があり、吹き口より吸ったりして鳴らす。
簧はしたとよみ一般的には舌の字が当てられている。
和名抄には象乃布江とかかれる。・・・日本国語大辞典(小学館)

枕草子218段
笙の笛は月のあかきに、車などにて聞こえたる いとをかし

また、白川静氏の字通(平凡社)によれば、笙の音符は生(せい)。説文に「十三簧、鳳の身に象るなり。笙は正月の音なり。物生ず、 故にこれを笙という。」とある。

雅楽とは

雅楽は主として宮廷、国家の営む天地、祖先、孔子などの祀りに用いる音楽と舞で、儒教の礼楽思想に基づく。その起源は、古く中国の周時代(紀元前6-3世紀)に遡り、漢時代に雅楽の名とともに制度として確立し、以来清末に至るまで連綿として古制を守ってきている。唐時代は中国音楽史の一つの頂点であり、古代中国の殷、周から唐にいたるまで隆盛を極めたのは一つには笙などの楽器がそれを支えている。

唐代の楽器 東洋音楽学会編(音楽之友社)
日本へは唐から古代朝鮮を経由して伝えられたと言われており、西暦701年(大宝元年)には大宝令により雅楽寮(うたまいのつかさ)が制定されている。伝えられた雅楽は日本古来の神楽と組合わさり、日本人の風土と美学と感性にあわせて再構築され、現代に至ってきている。

  • 西暦554年(欽明15年)・・・百済から音楽家来朝
  • 西暦612年(推古20年)・・・味摩之が伎楽を伝える
            

雅楽は平安時代のオ-ケストラ

雅楽は管楽器(笙、篳篥、龍笛、高麗笛、神楽笛)、弦楽器(楽琵琶、楽箏,和琴)、打楽器(楽太鼓、鉦鼓、鞨鼓)などにより構成され、古来の宮廷音楽の総称である。古代の中国、朝鮮から伝来した唐楽、高麗楽、外国から渡来の楽器を演奏に用いる催馬楽・朗詠、日本古来の久米舞、東遊などを含めたもの。五穀豊穣を祈願し、感謝し、そして天に向けて音楽を奏でる。それこそ森羅万象に対しての敬愛であり、日本古来の神楽と組合わさって出来たものといえます。

笙(しょう)・・・オルガンのような音を出し、雅楽の和音を奏でる。/篳篥(ひちりき)/龍笛(りゅうてき)/
高麗笛(こまぶえ)/楽琵琶(がくびわ)/楽箏(がくそう)・・・弦は13本の琴の一種/
西暦612年(推古20年)・・・味摩之が伎楽を伝える
鉦鼓(しょうこ)・・・青銅製の皿形打楽器/鞨鼓(かっこ)・・・一種の鼓

雅楽で演奏される楽曲のひとつとしては結婚式で使われる越殿楽(越天楽)という唐楽があります。この唐楽というのは中国の唐から伝来した曲といわれ、高貴の人が宮廷に昇殿あるいは降殿するときに演奏されたと言われています。この中から越天楽今様として残ってきており、黒田節(福岡県民謡)はその例で筑前今様といわれる。           

笙の構造と音階

画像 17本の竹管と匏(ほう)の写真
17本の竹管と匏(ほう)

笙が出す音色(音階)はどのような仕組みになっているのでしょうか。
笙の発音原理はハ-モニカと同じです。笙は長さは50cm程度で、周囲が3-4cm程度の竹管17本を匏(ほう、または頭)と呼ばれる椀型のものに差し込んだ構造をしています。
この竹管の内15本に簧(した)と呼ばれるリ-ドが着いており、これが振動して音を出します。
笙は形をみてもわかるように、鳳凰(ほうおう)を模した形をしており、その音は「天から差し込む光」を表しているといわれています。
笙のことを鳳笙(ほうしょう)と呼ぶのはこのためです。

笙は管弦で合竹(あいたけ)と呼ばれる和音(コ-ド)を受け持っています。この17本の竹管には一本一本名前が付いており、、合竹を色々押さえることにより和音を出します。
17本の内、15本が音が出るような構造となっており、常時その内の6本で演奏している。左手で4本、右手で2本の押さえる組み合わせにより10通りの和音を出せるようになっている。

画像 笙の構造と音階解説の図

17本の内、也と毛は音がでない。15本で音を出す。匏(ほう、または頭という)の下にある吹き口から息を吹いたり、吸ったりすることと、合竹の押さえる場所により和音を出す。

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