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パインケミカル

ちょっと専門的ですが!

少し難しく専門的な内容になりますが、電気絶縁物について紹介しておきます。一般に電気絶縁物質として使用されている物には無機物と有機物があります。無機物はシリカゲル、磁器などですが、有機物は次のように分類されます。その中の天然樹脂に、ロジンつまり松脂があります。

有機材料 →→ 天然有機材料 →→ 1.動植物繊維    
2.天然ゴム    
3.天然樹脂 →→ ロジン
コーパル
琥珀
シェラック

この内、樹脂類は一般に可塑性があり、電気絶縁性に富むため、絶縁塗料、コンパウンド、紙ケーブル含浸用、固形混和物、造形品、こう着剤などに用いられている。松脂(ロジン)は油に混ぜて含浸用として使われている。

種類 誘電率 体積固有抵抗
Ω・cm
表面固有抵抗
Ω
絶縁耐力
KV/mm
誘電力率%
ロジン 2.5-4.1 1017 ・・・ 28-30 0.0005
コーパル 4.7 1.9×1017 1.7×1014 ・・・ ・・・
琥珀 2.8 1018 3.7×1016 ・・・ 0.004
シェラック ・・・ 1016 2×1014 37 ・・・
電気材料 成田 賢仁、大重 力著(森北書店)より抜粋

コンデンサーと松脂

コンデンサーとは電気を蓄える装置のことで、2つの金属板を絶縁物を挟んで対向させ、電源の正極と負極をつないだものです。(日本語大辞典:講談社)
吉村さんが当社に松脂を求めてきたのは、知人の伝で静岡の澤山さん(当社が以前に取材させていただいた先)を紹介されたことからだったようです。(当社のホームページ/シリーズ17
吉村さんは、コンデンサーに松脂が使用されていたことは文献などから知っていたそうですが、コンデンサーは鉄板のコアに銅線を巻いたコイルを入れ、それに松脂を入れて固めた物です。絶縁性を良くするために内部を真空にして空気を抜いています。松脂は常温では固まるため少量の油を混ぜて熱溶解しある程度の粘度に調節します。松脂はコイルの振えをコントロールする役割をしているとのことですが、アンプを通して音色の調整にも大きな影響を果たしており、吉村さんによれば当社の松脂を使ったコンデンサーは音色も抜群で、当初の期待を十分に満足させてくれているとのことです。

画像 コイルをいれる鉄箱と鉄板、コイルと松脂の写真
コイルをいれる鉄箱(奥左)と鉄板(手前左)とコイル(手前右)と松脂(奥右)

エピローグ

取材を終えて帰ろうとしたところ、松脂の音色を聞かせてあげますからと吉村さん。松脂を使って作ったコンデンサーのアンプで、今話題のゴンチチのアルバムから「放課後の音楽室」を聞かせていただいた。スピーカーから流れ出る美しい高音が何ともいえない音の世界へ誘ってくれました。吉村さんの説明によると、音がきれいというのは音と音の間の繋がりが一番重要で、音が吸い込まれた後、すうっと出てくる瞬間が何ともいえないとのこと。音とはイマジネーションをかき立てるものであり、同じ音量でも離れたところで聞けば更にいいものが良いメカだそうです。
現在のようにトランジスターなどを通しての音ではリアルに欠ける。同じ音でも昔のアナログによる音の世界が最高ですと。

画像 ゴンチチを聞かせてくれたスピーカの写真画像 蓄音機のイラスト
ゴンチチを聞かせてくれたスピーカこれも吉村さんの復元品

参考図書

  1. 日本語大辞典(講談社)
  2. 電気材料(森北書店) 成田 賢仁、大重 力著
  3. 電気材料(朝倉書店) 上田 実、中井 達人著
  4. 電気材料(雇用問題研究会) 労働省職業訓練局

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