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パインケミカル

マッチの歴史1

一般にマッチの発明は1827年(日本では江戸時代後期 文政11年)英国人のウォーカー(薬剤師)が、塩素酸カリウム、黄リン、三硫化アンチモン等を頭薬とする摩擦マッチを創ったことが始まりとされています。これより先の6世紀に、敵軍に囲まれ物資不足となり、火を起こすのに困った中国の宮廷女官が、木の棒にイオウを染みこませたものを考案したのが始まりとという説もありますが、これは火を移しやすいように工夫された付木で発火具ではないとされています。その後1855年にスウェーデンで発火部を頭薬と側薬に分けた安全マッチが発明されています。

マッチの歴史2

日本でのマッチの歴史は、1875(明治8)年に旧金沢藩士・清水誠がフランス留学時に黄燐マッチの製法を学び、持ち帰ったのが始まりと言われています。しかし、この黄燐マッチは発火しやすく毒性も強かったことから危険なものでした。その後、清水はスウェーデンに再渡航し、安全マッチの技術を習得して日本での製造を始めました。国内のマッチ工場は阪神地区に集中していましたが、その理由は気候が温暖で乾燥した空気がマッチの保管に適していたことと、良い港に恵まれていたことが挙げられます。大正初期には、日本のマッチ製造は豊富で安価な労働力に支えられ、中国やインドの市場を制覇し、スウェーデン、アメリカに並ぶ世界三大マッチ生産国となりました。

マッチの種類

発火の機構、軸の種類等により下記に分類できます。

安全マッチ 側薬との摩擦によって発火するマッチ
摩擦マッチ 硫化燐マッチ/頭薬に硫化燐を使用
黄燐マッチ/頭薬に黄燐を使用
ブックマッチ 紙軸マッチ/紙製の軸を使用したマッチ
木軸マッチ/木板の軸を使用したマッチ
ワックスマッチ ワックスマッチ/ワックスで固めた紙軸で製造したマッチ

マッチの製造工程

画像 マッチの製造工程解説図

安全マッチの組成

処方(一例)
頭薬の組成 側薬の組成
塩素酸カリウム 50% 赤リン 54%
硝子粉 20% 硫化アンチモン 19%
珪藻土 7% 膠着剤 27%
雲母粉 4%    
松脂 2%    
にかわ 13%    
その他 4%    

松脂の性質である接着性や燃焼性等を活かして、松脂とタルクの混合物を粉末化した松脂粉(しょうしこ)を、ごく僅かであるが頭薬中に1~2%使用されている。

画像 マッチ製造工程の写真1
左から松脂粉→松脂粉を水に溶く→頭薬を軸木に塗布

画像 マッチ製造工程の写真2
左からマッチの連続自動製造機→箱詰め→出荷用にマッチをブロック(1ダース)に梱包

後書き

この30年の間に我々の子供の時代から目に慣れた《もの》が数多く無くなったり少なくなったりしている。その一つにマッチがあります。兼松日産農林株式会社、淡路工場の弦牧工場長、柳澤部長によると、マッチはいわゆる100円ライター、自動点火装置、生活様式の変化等により1970年をピークに国内の使用量は10%以下に落ち込み最近の日本人一人あたりのマッチの使用本数は年間100本程度。又、ピークで100社を越えていた生産会社も今では20社足らずになってしまったとのこと。「しかしね...未だマッチが使われ続けているとこがあるんですよ。仏壇の前での蝋燭やお線香、それに夏の夜の花火、冬の寒い時の石油ストーブの着火...」 

画像 たばこ(柳沢さん)/棚とマッチの写真
たばこ(柳沢さん)/棚とマッチ

参考資料

  1. ノスタルジアグループホームページ
  2. (社)日本燐寸工業会ホームページ

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