ハリマ化成グループ

One Hour Interview

山村寿男先生(写真中央の列右から3人目)と彩先生(山村先生の左隣)※写真撮影時のみマスクを外しました

One Hour Interview

肺高血圧症の治療薬開発へ

再生可能な資源のセルロースから、新しい機能を持つ液晶材料を作ることに成功。その研究をさらに発展させ、古海誓一さんは実用化を視野に入れた応用研究を進めている。

山村寿男

名古屋市立大学大学院
薬学研究科
教授

山村 彩

愛知医科大学
医学部
講師

アンメット・メディカル・ニーズに応えたい

まず研究テーマについてお話しいただけますか。

 2年前に教授に昇任したとき、肺高血圧症を研究室のメインテーマにしようと決めました。僕が専門とする肺高血圧症臨床分類第1群の肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、以前は不治の病とされていた難病の1つです。20年前に画期的な治療薬ができたのですが、今でも5年生存率は60~70%です。早期から中等症の患者さんには比較的薬が効きますが、重症になるとほとんど手立てがない状況が今も続いています。有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズのことをアンメット・メディカル・ニーズといいますが、そうしたニーズに応えて、新たなPAH治療薬を開発したいと頑張っています。薬理学者はみんな、自分で薬を創るのが目標です。

なぜその疾患を選んだのですか。

 僕は血管のイオンチャネルの生理機能と病態での機能変化についての研究をずっとしてきました。当初は本態性高血圧症や食塩感受性高血圧症、門脈圧亢進症などを対象にしていましたが、イリノイ大学シカゴ校に留学したとき、初めてPAHと出合いました。日本ではこの疾患の患者さんは3,500人くらいしかいません。つまり希少疾患ですね。マーケットが小さいので、製薬企業もPAH治療薬の開発にはあまり手を出したがりません。だからこそ僕たちのような薬理学者が研究・開発に取り組む必要があると考えています。

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