ハリマ化成グループ

One Hour Interview

One Hour Interview

海中のハロゲンで化学の未来を拓く

森山克彦

創薬という夢に向かって

先生ご自身の研究の原動力は何でしょうか。

 小学生の頃から、人の役に立つ仕事をしたいと思っていました。有機化学を通じて医薬品をつくって人を助けたいと考えるようになり、大学は薬学部を選びました。その気持ちは今も変わっていません。ハロゲンを使った研究には電気電子系の機能性材料などの分野もありますが、基本的には創薬を目指しています。しかし、開発した新しい化合物がどういう疾病に有効なのかといった活性評価は私たちにはできませんから、そこは薬理活性評価ができる生命科学系の方と連携しています。

創薬に有望な新しい化合物はもうできているのですか。

 まだ発表していないので詳しくお話しすることはできませんが、あるアミノ酸にハロゲンを入れることにより、新しい機能性が期待できるアミノ酸ができました。タンパクとの親和性などをこれから評価していく予定ですが、うまくいけば医薬品につなげられるかもしれません。

創薬というゴールが見えていますか。

 薬はそう簡単にできるものではありません。手応えは感じていますが、ゴールはまだまだ先です。定年もまだもう少し先ですから、夢の実現をと願っています。

森山克彦[もりやま・かつひこ] 1977年、愛知県生まれ。立命館大学理工学部卒業。京都大学大学院薬学研究科博士後期課程修了。博士(薬学)。名古屋大学大学院工学研究科博士研究員、千葉大学大学院理学研究科助教を経て2016年4月より現職。「100%無駄なものはない」というのが持論で「科学者は天然資源の有効活用を考えるべき」と説く。趣味は旅行、ドライブ。

[第38回 松籟科学技術振興財団研究助成受賞]

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