One Hour Interview
液晶性を活用して先進的機能材料を開発
山田重之
発光性と液晶性の両立が難点
この研究でいちばんご苦労されているのはどのようなところですか。
やはり分子設計ですね。発光性と液晶性の両方を実現できるかどうかは、実際に合成してみなければ確認できません。一般的に温度が高くなると発光は弱くなるのですが、液晶性を保つにはある程度の温度が必要になります。このトレードオフの関係が壁になります。温度を上げても発光が強く、液晶性も現れる。そういう分子設計を今、研究しているところです。
実際に手を動かしている学生さんたちも、毎日悩みながら取り組んでいるという感じですか。
そうですね、そうあってほしいと思います。
研究の進み具合をもう少しスピードアップさせようとしたら、必要なのは資金ですか、人材ですか。
やはり人です。学生とか研究員とか、とにかく人手が足りません。もちろん資金的にも不足していますが…。
分子設計でも、上手、下手の違いはあるのですか。
あると思います。ただそれはテクニックの差ではなく、経験の差だと思います。合成や分子設計には長い歴史があり、教科書に書いてあるとおりにやればある程度のことはできます。しかし、私たちがつくろうとしているのはまだ世の中にないもので、教科書どおりにやっても進まない状況のほうが圧倒的に多いわけです。そこで、自分が経験で得たノウハウが効いてきます。